「先生!待って!」 雑貨屋を出て、帰ろうとしたら花巻さんに後ろから声をかけられた。 「どうしたの?」 「途中まで一緒に帰ろ?」 「いいけど……」 「やった!」 花巻さんはそう言って、ニコッと微笑んだ。 「花巻さんのお家はどこ?」 「うち?○○町」 「そうなんだ」 「先生の家は?」 「うちは△△町」 「そうなんだ~!うちの家と先生の家って近いね」 「そうね」 そう言って、空を見ると、太陽が傾きかけていて、西の空を真っ赤に染めていた。