「来週から夏休みでしょ?夏休み中、好きな時にここへ来てピアノを弾いていいからね」
「ありがとう」
「私が教えるからには、海陽には絶対に○○音大に受かってもらわないとね」
「あぁ……すっげープレッシャーだなぁ……」
私は海陽を見てクスクス笑った。
「紗英さん、ここだけじゃなくて、学校に行って練習してもいい?」
「それは構わないけど……」
「じゃー、ここと学校で練習しちゃお。毎日、紗英さんに会えるね」
「あっ!海陽?もしかして……それが目的?」
「バレた?あ、でも、ピアノもちゃんと練習するから安心して?」
私も夏休み中に学校でもここでも海陽に会えるのが楽しみなんだよ。
それにね、一時期、諦めていたピアニストという夢。
もう1度、夢に向かって頑張ろうとしてる海陽に嬉しく思ってる。
ピアニストになりたい海陽の夢。
私は海陽を○○音大に受からせたいという夢が出来たよ。
ねぇ、海陽?
一緒に頑張ろうね。