「海陽?私にもっと甘えていいんだよ?もっとワガママ言っていいんだよ?」


「じゃー……俺のワガママ聞いてくれる?」



海陽は水を一口飲むと、そう言って私を見た。



「何?」



海陽のワガママって何?



「ピアノ……教えて?」


「はい?」


「俺にピアノを教えて欲しいんだ……」



海陽にピアノ?私が?



「えぇ!」



思わず声が出てしまった。


海陽は私よりピアノは上手いのに……。


逆に私が海陽に教えて欲しいくらい海陽のピアノの腕は凄い。


なのに何で?