やっぱり海陽は私より大人だな……。


あんなことを聞いた自分が急に恥ずかしくなってきた。



「紗英さん？何、考えてるの？」


「へっ？」



私は顔を上げて海陽を見た。



「フォークにそんなにパスタ巻き付けたら食べるの大変だと思うけど？」



海陽がクスッと笑う。



「えっ？」



私はパスタの皿に目を落とした。


フォークに大量に巻き付けられたパスタ。


げっ！
確かにこれは食べるのは大変そう……。


私は巻き付けたパスタをスプーンを使ってフォークから外した。



「で、何考えてたの？」


「んー？……やっぱり海陽は大人だなぁって……」



私はパスタを見つめたままそう言った。



「だからそれは紗英さんが子供過ぎるんだって」



海陽はクスクス笑う。


海陽の前ではどうしても大人になりきれない私がいる。


私の方が年上で、海陽を甘えさせたり支えてあげなきゃいけないのに……。