「海陽は、私と一緒にいて楽しい?」
金曜日――。
晩ご飯を一緒に食べてる時に、私は海陽にそう聞いてみた。
「どうしたの?急に……。何でそんなこと聞くの?」
「週末にここへ来て、どこかへ遊びに行くわけでもなく、部屋の中だけで過ごして……海陽は満足なのかなぁって……」
海陽は17歳の高校生。
私じゃなく、同級生や下級生に彼女がいれば……。
彼女と一緒に遊びに行ったり、買い物したりしたいんじゃないのか……。
そんなことを思っていた。
「紗英さんはどう思ってるの?俺といて楽しい?」
海陽はクリームソースのパスタをフォークでクルクル巻きながら聞いてきた。
「楽しいよ。私は海陽と一緒にいれるだけで満足だから……」
「俺も紗英さんと同じ。どこにも行かなくても、紗英さんと一緒にいれるだけで満足だから……」
「ホントに?」
「ホントだよ」
海陽はフォークに巻き付けたパスタを口に運んだ。
「あのさ……もし、紗英さんと、外でデートしたいとか思ったらちゃんと言うし。だから紗英さんは何も心配しなくていいから……」
海陽はそう言って、私の頭を撫でてきた。