晩ご飯を食べ終わり、片付けも終わって、ソファーに並んで座って食後のコーヒーを飲んでいた。
♪~♪~♪~
テーブルに置いてある携帯が鳴った。
こんな時間に誰だろう……。
「ちょっとゴメンね」
私はそう言って、携帯を手に取った。
ディスプレイを確認する。
「あっ……和葉(カズハ)だ……」
相手は高校の時の友達の和葉だった。
「もしもし」
『もしもし、紗英?私、和葉だよ』
「久しぶり~!」
『久しぶりだね。遅くにゴメンね』
「ううん。どうしたの?」
『実はね……私、12月に結婚することになったの』
「えぇ!おめでとう!」
『でね、紗英に出席してもらいたいんだ……』
「もちろん!喜んで出席させてもらうよ」
『ありがとう!それでね、紗英に披露宴の余興で、ピアノ演奏もお願い出来ないかなぁって……』
「私が!?」
『うん。紗英、音大出てるしさ……ダメ……かな?』
「私で良かったら……曲は何でもいいのかな?」
『うん。紗英にお任せします』
「わかった」
『紗英、ありがとう。また招待状を送らせてもらうからね』
「うん。楽しみに待ってる」
『じゃ、親が呼んでるから……また、ゆっくり電話するね』
「うん」
『バイバイ』
「バイバイ」
電話を切った。
和葉、結婚するんだ~……。



