電車に乗って約1時間。


駅に着いた。


ホームのベンチに座っている海陽の姿を見つけ駆け寄った。


俯いていた海陽が顔を上げる。



「遅くなってゴメンね……」


「ううん」



笑顔でそう答える海陽は私服を着ていた。



「行こうか?」


「うん」



海陽はベンチから立ち上がり、改札に向かって歩き出した。


海陽の後ろを付いて行く。


改札を抜け、駅を出た時、海陽が私の手を握って、指を絡めてきた。


顔を上げて海陽を見る。


海陽は私を見下ろして笑顔を見せた。


海陽と初めて手を繋いで外を歩く。


これがデートだったらな……。