寝室のベッドの上に紗英さんを下ろす。


俺も紗英さんの隣に入った。


紗英さんを腕枕して、体をギュッと抱きしめる。



「海陽?抱きしめられたら寝れないよ……」


「眠れるよ。だから目を閉じて?」



紗英さん?


アナタを抱きしめて寝たいんだ……。


だから今日だけ……いいでしょ?



「眠れない」


「じゃー……俺が眠れる魔法をかけてあげる」


「魔法?」


「目を閉じて?」



紗英さんはゆっくり目を閉じる。


俺は紗英さんの唇に自分の唇を重ねた。


驚いたように目を開ける紗英さん。



「そのまま目を閉じてなきゃ、魔法の意味ないじゃん」


「だって、海陽がいきなりキスしてくるから……」



紗英さんはホッペをプクッと膨らませて、上目遣いで俺を見た。


ヤベっ……。


そんな目で見られたら理性が抑えられなくなるだろ?



「紗英さん……その目、ヤバいから……」


「えっ?」


「そんな目で見られたら俺……紗英さんを抱きたくなる」


「や、やだ!海陽ったら!もぅ、知らない!」



紗英さんはゴソゴソと俺に背を向けた。


俺は紗英さんを後ろから抱きしめた。


おやすみ……紗英さん……。


俺は紗英さんを抱きしめたまま、ゆっくり目を閉じた。




―海陽Side end―