シャワーを浴びて、リビングに戻ると、紗英さんが目を覚ましていた。
「海陽、帰ってたんだ……」
そう言って、体を起こそうとする紗英さん。
「起きなくていいから」
俺は紗英さんの傍に行った。
またソファーに体を横にする紗英さん。
「シャワー、勝手に使わせてもらっちゃった」
そう言って笑う俺に、紗英さんは何も言わず微笑んで、首を左右に振った。
「片付け、してくれたんだね」
俺はそう言って、紗英さんの髪を優しく撫でた。
「うん。片付けくらい出来るから……」
紗英さんはクスッと笑った。
「俺がするって言ったのに……」
「いいの。だって海陽は晩ご飯作ってくれたから……」
「今度、紗英さんの料理を食べたいな」
「いいよ。私、こう見えて料理得意よ」
「それは楽しみだな」
そう言って、お互い笑い合った。