紗英さんのマンションに戻ってきた。
寝てるかもしれない。
前に教えてもらったオートロックの暗証番号を押して、エレベーターに乗って、部屋に急いだ。
今朝、ダイニングテーブルの上に置いてあった鍵を使って玄関を開けた。
静かに玄関を閉めて、静かにリビングに入る。
ダイニングテーブルに目をやると、綺麗に片付けられていた。
キッチンに行くと、洗い物も済ませてあった。
俺がするって言ったのに……。
冷蔵庫を開ける。
冷蔵庫の中には、紗英さんが食べ残したハンバーグとスープとサラダの皿にラップがかけられていたものがあった。
プリンの入った箱を冷蔵庫に入れる。
リビングに行くと、ソファーの上で横になって眠る紗英さんがいた。
何も掛けず、パジャマを着て眠る紗英さん。
髪をそっと撫でる。
眉間にシワを寄せるけど、起きる気配はない。
俺は自分が着ていたパーカーを脱いで、紗英さんの体にそっと掛けた。



