海陽の作ったご飯は凄く美味しかった。
ハンバーグにサラダにスープ。
どれもレストランに負けないくらい。
でも……正直、あまり食欲がなかった。
頭の中は生理が遅れてることでいっぱいで……。
心は不安感で満ちていた。
何だか少し気持ち悪い。
つわり?
まさか……。
「紗英さん?どうしたの?」
「えっ?」
私は海陽を見た。
海陽が不安そうな顔で私を見る。
「ご飯、まずかった?」
「えっ?う、ううん。そんなことないよ」
「ホント?良かった」
海陽の顔に笑顔に戻る。
頑張ってご飯を口に運ぶけど、もう限界かも……。
「…………ごちそうさま……」
半分も食べれなかった。
「もう、ごちそうさま?どうしたの?やっぱり、まずかった?それとも……調子でも悪いの?」
「もう、お腹いっぱい……」
私はワザと明るくそう言ってみせた。
海陽……ゴメンね……。
ホントはね……。



