「…………謝らないで……」
私は星野くんの広い背中に顔を埋めてそう言った。
「先生…………」
「…………星野くん……私を抱いて?何もかも忘れさせて?私の体に……星野くんの愛を刻んで?」
「…………えっ?」
星野くんは体をクルッと私の方に向けた。
星野くんの体から少し離れて、顔を上げる。
星野くんも私を見下ろした。
目が合う。
"ドクン――"
胸が大きく高鳴った。
「先生……いいの?」
私は星野くんから目線を外してコクンと頷いた。
と、同時に再び私の体が宙に浮いた。
「リビング出て、左側のドアが寝室だから……」
私はそう言うと、星野くんは何も言わず、ただニコッと微笑んだ。



