星野くんが唇を離したと同時に私の体はフワッと宙に浮いた。
えっ?
な、何?
体が横になってる。
星野くんが上から私の顔を見てる。
これって……もしかして……。
お姫様抱っこ!?
えっ……ちょっ、ちょっと……。
「…………ほ、星野くん?」
慌てる私を他所にニッコリ微笑むと、私をお姫様抱っこしたままゆっくり歩き、ソファーの上に私を下ろした。
ソファーの上に寝かされた状態の私。
ソファーに膝をかけて、上から私の顔を見る星野くん。
星野くんと目が合う。
"ドキドキ――"
激しく打つ鼓動。
火をつけられたように熱くなる体。
さっきまで微笑んでいた星野くんの顔に笑顔はない。



