「…………先生、ゴメン……」



星野くんはそう言って、私を離した。



「何で謝るの?」


「だって……嫌でしょ?」


「えっ?」


「生徒からコクられるの。なのに俺……先生とアイツが寄りを戻すんじゃないかって……。もう大切な人が傷付くのは見たくないから……つい……ゴメンね……」



星野くんがクスッと笑う。



「俺、先生に気持ちを伝えるのは卒業してからって決めてたのになぁ……。その方がフラれても辛さは軽減されるでしょ?卒業したら会うこともないしさ」



そう言って、再び笑う星野くん。



「だからさ……さっき言ったことは忘れて?先生……ゴメンね……」



私は首を左右に振って、星野くんの胸に飛び込んだ。


星野くんの背中に腕を回して、ギュッと抱きついた。