「…………それか……嘘ついた理由は他にある……とか?」
星野くんが私の方をチラッと見る。
「えっ……他の理由?」
他の理由って……何?
「元不倫相手がここに来たから……とか……」
星野くんはそう静かに言った。
"ドキッ――"
胸が跳ね上がった。
「さっき、下で先生の元不倫相手と会ったよ」
和彦……まだいたんだ……。
もうとっくに帰ってると思ってた……。
「元不倫相手、先生が寂しいって言うから慰めてやったって……。久しぶりで喜んでたって……」
「えっ……」
嘘……。
和彦がそんなこと言ったの?
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