玄関を開けると、右手に買い物袋を持った星野くんが立っていた。



「先生?大丈夫?」


「うん……。少し横になったら楽になった」


「そう。良かった……」



星野くんが笑顔を見せる。



「あ、良かったら上がってく?」


「いいの?」


「うん……。どうぞ?」



私は玄関の角に置いてあったスリッパを星野くんの前に出した。



「ありがとう。お邪魔します」



星野くんはスニーカーを脱ぐと、スリッパを履いた。