【先生×生徒シリーズ】禁断の果実―音楽の先生×男子生徒―




樹里と並んで歩く。


お互い無言のまま……。



「海陽?」



沈黙を破ったのは樹里だった。



「ん?」


「迷惑だった?」


「えっ?」


「迷惑だったから……用があるって嘘ついたの?」



顔を上げて俺を見る樹里は凄く切ない顔をしていて……。


今にも泣きそうだった。



「そんなことねぇよ!今日、用があったのはホントだから」


「ホント?」


「あぁ、だからそんな顔すんなって!」



俺は樹里に笑顔を見せた。


樹里も笑顔を見せる。


ゴメンな……樹里……。


迷惑だとは思ってないけど、どうしても行かなきゃいけないとこがあるんだ……。