樹里と並んで歩く。
お互い無言のまま……。
「海陽?」
沈黙を破ったのは樹里だった。
「ん?」
「迷惑だった?」
「えっ?」
「迷惑だったから……用があるって嘘ついたの?」
顔を上げて俺を見る樹里は凄く切ない顔をしていて……。
今にも泣きそうだった。
「そんなことねぇよ!今日、用があったのはホントだから」
「ホント?」
「あぁ、だからそんな顔すんなって!」
俺は樹里に笑顔を見せた。
樹里も笑顔を見せる。
ゴメンな……樹里……。
迷惑だとは思ってないけど、どうしても行かなきゃいけないとこがあるんだ……。



