―海陽Side―
先生から初めて電話がかかってきた。
携帯に先生の番号を登録して、ベッドに寝転がり、天井を見つめる。
先生……頭が痛いって言ってたけど……大丈夫なのか?
いろんなことがあってストレス溜まってんのかなぁ?
それとも……俺と一緒に食事するのが嫌になって嘘ついたとか……。
"ピンポーン――"
玄関の呼び鈴が鳴った。
誰だよ?
まさか先生?
いや……そんなことは……。
俺はベッドから出た。
玄関に行き、玄関のドアを開けた。
「樹里……」
玄関に笑顔の樹里が立っていた。
「何、ビックリした顔してんの?」
クスクス笑う樹里。
「何しに来たんだ?」
「海陽に晩ご飯を作ってあげようと思って」
樹里は手に持っていたスーパーのビニール袋を軽く持ち上げた。



