"ピンポーン――"
インターホンのチャイムが鳴った。
誰だろう……。
リビングの壁にかかっているインターホン。
その画面に映っていたのは……。
「…………和彦……どうして?」
インターホンの画面に映る和彦。
『ゴメン……。紗英とちゃんと話がしたい……』
話?
何の話があるの?
「和彦……ゴメン……帰って?」
『紗英……』
悲しそうな顔の和彦が画面に映ってる。
やっと……和彦のことを忘れることが出来たのに……。
新しい1歩を踏み出そうとしてるのに……。
何で?
何で今さら……。
もう……私の心を掻き乱さないで……。



