『もしもし?』
星野くんが電話に出た。
誰?って少し戸惑ってる感じがする。
「あ、星野くん?水島です……」
『先生!どうしたの?』
星野くんの声のトーンが少し上がった。
「あ、あのね……急に頭が痛くなって……」
『えっ?』
「今、自分の部屋に帰って来たの……。で、悪いんだけど……」
『大丈夫?』
「うん。私、頭痛持ちで……薬飲んで寝てたら大丈夫だから……」
『ホントに?』
「うん……。星野くん、ゴメンね」
『いや、いいよ。早く良くなるといいね』
「ありがとう。じゃ、明日ね……」
『うん』
電話を切った。
花巻さんが星野くんちに行くのに私は行けない……。
そう思うと、なぜか急に寂しさが込み上げてきた。
寂しい――。
心にポッカリ穴が空いたような……。
私は手に持っていた携帯を見つめていた。



