マンションの部屋に帰って来て、ダイニングテーブルに買ってきたものを置いた。
「はぁ……」
ダイニングテーブルに置かれた食料品を横目で見る。
2袋にギッシリ詰め込まれた食料品。
1人暮らしの私が買う量じゃない。
星野くんのために買ったもの。
でも無駄になっちゃった。
花巻さんの照れたような可愛い笑顔が頭に浮かぶ。
星野くんと花巻さん。
幼なじみ同士のふたり。
でも花巻さんは星野くんが好きで……。
そんなことを考えてる私はおかしい。
私は手に持っていた鞄から携帯を取り出した。
登録した星野くんの番号を呼び出す。
通話ボタンを押して、携帯をそっと耳に当てた。
初めてかける電話。
ドキドキしながら星野くんが出るのを待っていた。