「凄くショック受けてね……。毎日、泣いてばかりで……昼間、家に1人で置いとくのも心配だったから、心身ともに落ち着くまで実家に帰らせてるんだ……」
「傍にいてあげなくてもいいの?」
「あぁ……別にいいんだ……。俺が傍にいても何もしてやれないから……」
和彦はそう言うと、コーヒーを一口飲んだ。
「紗英?」
「何?」
「まだ、紗英のこと……好きだよ……」
えっ?
私は窓の外から和彦に目線を移した。
和彦がテーブルの上で組んでいた私の手を握ってきた。
"ビクッ"と体が跳ね上がる。
私は何も言わず、咄嗟に和彦の手を払いのけた。



