"トクン――" えっ? い、今、胸が鳴った?……よねぇ……。 メモ帳を持ったまま両手で胸を押さえる。 やだ……私、胸がドキドキしてる……。 淡い初恋の時のような……。 そんな胸のドキドキ。 な、何で? まさか私…………星野くんのこと…………。 私は頭をブンブン左右に振った。 そんなわけない……違う……違うよね? 星野くんは、ただの生徒。 生徒に恋愛感情なんて……。 しかも昨日、大好きで愛してた和彦と別れたばかりだよ? ありえない……。 胸が鳴ったのもドキドキも気のせいなんだ。