「ありがとう」
そう言って、星野くんはメモ帳とボールペンを返してきた。
「…………うん」
メモ帳に何を書いてたんだろう……。
星野くんは何かを書いたページを切り取り、パーカーのポケットに入れていた。
「じゃー……帰るね」
「…………うん……。あっ!クッキー!」
私はキッチンに行き、クッキーの大袋3つをビニール袋に入れた。
ミルク、チョコチップ、マーブルと、それぞれ味の違うクッキー。
「はい、これ」
それをリビングにいる星野くんに渡した。
「うわぁ!こんなに沢山いいの?」
ビニール袋の中を見て喜ぶ星野くん。
「うん。まだまだ沢山あるから……。それに1人じゃ食べ切れないし」
「遠慮なく頂きます!ありがとう!」
星野くんはそう言って、子供のような笑顔を見せた。