「その、どうしよもなく寂しい気持ちを埋めてくれたのが……女の存在」
星野くんは目だけでこちらを見た。
女の存在…………。
じゃー……星野くんのお父さんには、お母さん以外の女性がいたってこと?
「同じレストランで働いてた日本人女性と仲良くなって……。
彼女も単身アメリカへ働きに来てたらしいんだ……。
最初は、ただの一緒に働いてる仲間だった。
で、話すうちに仲良くなって……お互い寂しい心を埋めるようになった。
ただ、それだけの関係だった。
でも……それから男と女の関係になって……父親は彼女に対して本気になった……」
「…………う……そ……」
私は手で口を押さえた。
私の目には、いつの間にか涙が溜まっていて……口を押さえた手の上に涙がポタポタと落ちていった……。



