「お待たせ」
先生はトレイに載せた、コーヒーカップを運んできた。
ガラステーブルに置かれる2つのコーヒーカップ。
このコーヒーカップも高級そう……。
それからお菓子の入った皿をテーブルに置いた。
この皿もお菓子も高級そうだな……。
てか、ここにあるもの全てが高級そうに見える。
俺は少し震える手で、シュガーポットから角砂糖をひとつ取って、コーヒーの中に入れた。
シュワシュワと小さな泡を出しながら溶けていく角砂糖。
ミルクを入れて、スプーンで掻き混ぜた。
先生は俺が座っているソファーの左側隣りにあるソファーに座った。
コーヒーをブラックのままで飲む先生は、やっぱり俺より大人なんだな……。
そんなことを思いながら、コーヒーを一口飲んだ。
―海陽Side end―



