結局、マンションの前まで星野くんに送ってもらった。
「先生って、すげーとこに住んでんだね」
マンションを見上げて、そう言う星野くん。
「そうかなぁ?」
自分自身、そんなに凄いとは思わないんだけど……。
「じゃーね……先生。またゴールデンウィーク明けに学校で」
そう言って笑顔を見せる星野くん。
私に背を向けた時……。
「あっ……ねぇ!」
星野くんの背中に向かって呼び止めた。
「ん?何?」
振り向く星野くん。
「良かったら……お茶でも飲んで行って?」
「えっ?いいの?」
「うん。朝ご飯と送ってくれたお礼」
私は星野くんにニッコリ微笑んだ。
「お礼だなんて……俺、たいしたことしてないよ?」
「いいからいいから。私がお礼をしたいの。ねっ?」
「う、うん……」
私と星野くんはマンションのエントランスに入り、一緒に私の部屋まで行った。



