時計を見ると、もうお昼過ぎ。
「星野くん……私、帰るね……。昨日、今日とありがとう」
遅い朝食を食べた後、洗い物をしていた星野くんにそう言った。
「じゃ、送って行くよ」
水道の蛇口を捻り、タオルで手を拭く星野くん。
「えっ、い、いいよ。1人で帰れるから……」
「ダメ!何かあってもいけないし……。女の子を1人で帰らすわけにはいかないの」
「何かって……まだ、昼間だよ?それにまた女の子って……」
「昼間でも何かある時はあるんだって。それに先生は先生である前に1人の女の子なんだから」
何か、星野くんの方が私よりしっかりしてて、私より年上に感じる……。
でも……。
「ねぇ?星野くん、もし誰かに見られたらどうする?」
私と星野くんの関係は教師と生徒。
もし一緒にいるとこを誰かに見られたら……。
「うーん……。まぁ、その時はその時で何とかなるでしょ」
そう言って笑う星野くん。
何とも楽天的な性格だな……。



