「先生？何で泣くの？」
俯き、泣く私に星野くんは優しく声をかけてきた。
「わか……んない……」
次から次へとあふれる涙。
その涙はポタポタとお味噌汁の中に落ちていく。
手で顔を覆って泣く私。
そんな私を星野くんが優しく抱きしめてくれた。
"ビクン"と体が跳ねる。
「星野くん……何で？何で優しくしてくれるの？」
私は顔を上げて星野くんに聞いた。
「うーん……何でだろう……。弱ってる女の子をほっとけないから？それに…………」
「それに？」
「ううん、何でもない」
星野くんはそう言って笑った。
「でも、女の子って……」
私の方が年上なのに……。
"ぷっ"と笑いそうになった私。
「もう笑えてるから大丈夫だね」
星野くんはそう言って、そっと私から離れた。
