「先生は、その彼と別れて良かったんだよ……」
「えっ?」
そうポツリと呟く星野くん。
彼と別れて良かった?
何でそんなこと言うの?
「不倫なんてさぁ、いいことないよ……。皆、幸せにはなれないんだよ。自分も相手も相手の奥さんも……子供も……」
星野くんが私をチラッと見てそう言った。
何で?
何で星野くんにそんなこと言われなきゃいけないの?
「何で……何でアナタにそんなことがわかるの?知ったようなこと言わないでよ!」
私は星野くんに叫ぶようにそう言った。
「知ってるから言ってんだよ!」
星野くんは怒鳴るようにそう言うと、私の目を真っ直ぐ見た。
「…………えっ?」
私は再び目を見開いて星野くんを見た。
知ってるから……。
アナタは何を知ってるの?
その時、急に頭がボーとして私の意識はそこでなくなった……。