いつもの並木道を走る。
散歩してる人、俺と同じようにジョギングしてる人がいる。
その中にベンチに座って、うなだれてる女性が目に入ってきた。
あの人……何してんだ?
まさか……死んでるってことはないよな……。
って、ん?
あれって……水島先生か?
何で先生がこんなとこにいるんだ?
彼氏と旅行に行ったんじゃねぇのか?
ゆっくり走りながらベンチに近づく。
やっぱり……先生だ……。
俺はiPodのスイッチを切って、耳からイヤホンを外した。
「先生?」
先生に声をかけると、ゆっくり顔を上げる先生。
「あっ…………」と小さく声を上げた先生は、目を見開いて俺の顔を見ていた。



