「嘘だったの?今まで……和彦が言ってくれたことは……嘘だったの?」
和彦の腕をギュッと掴んだまま、すがるような目で和彦を見た。
「嘘じゃないよ……紗英のことは……本当に愛してたよ……。アイツと別れて紗英と結婚したいと思ってた……」
「じゃー……何で?」
「………………」
和彦は何も言わなかった……。
「ねぇ?もし……私も妊娠してたらどうする?」
和彦は何て答えるんだろう……。
奥さんと別れて、私と結婚すると言ってくれるのんだろうか……。
「俺を……困らせないで……くれよ……」
「えっ?」
何、それ?
困らせないでくれって……。
何なの?