あれから
毎日私同じ電車に乗ってるけど
心さんには会わないんだ。

やっぱ
夢だったのかも。
と思って乗った電車。

なんか…
今日人多くない?
満員電車とか
あんまりないから困るなあ。

吊り革につかまって乗った。
ん?
何?
なになになに?
なに、この感触…
なんか…
気持ちわるい…
もしかして…
痴漢!?
やだやだやだ…!!
どうしよう!!
そうだ、声を出そう!
なんでもいいから
とにかく声!!

『っ…』

うそ?
声が出ない。
どうしよう!
誰かっ!
助けて−…

『痴漢は犯罪ですよ?』

え?
見上げるとそこには
背の高い男の人、
心さんがいた。

『すみません』

と言って痴漢の犯人は
降りてしまった。

『大丈夫?』

ドキっとしてしまった。