響が電話を掛けると
相手がすぐに出た。



「もしもし、政志。今どこ?」

(「友達、マサシさんっていうんだ…」)

「じゃ、その辺に居てくれ」



短い話が終わると
響は美波に聞く。



「美波ちゃん、渡り廊下ってどこにあるの?友達そこに居るらしいんだ」

「2階に…」

「じゃ行こう」

「うん」




時間が12時を過ぎた時。
同じく、あずさも交代になっていて一人で校内を見ていると
一人の男の人が目に入った。



「あ……」



その相手もあずさの視線に気付いて振り返る。



「君…どうしてここに」



彼はかけていたサングラスを外しながら言った。



「先生こそ、どうして…」



あずさが会った人とは家庭教師をしている政志だったのだ。



「たまたま来ただけ」





その時、美波と響も現れる。