数日後。


「じゃ今日はここまで。次の時まで軽くテキスト見ておいて」

「はい。分かりました」



学校でのランチタイム。


「ねぇねぇ、相変わらず家庭教師の先生はクールなの?」

「クール過ぎ…やりずらい。ところで美波はどうなの?」

「何が?」

「有野先輩」

あずさが急に有野の話をしたら、今までにこやかに喋っていた美波の表情が一気に変わった。


「余り聞いて欲しくない質問だね何か一日置きぐらいに電話してくるの。絶対に出ないけどね」

「そーなんだ。きっとまだ美波の事、諦めてないんだよ」

「えーヤダ。超迷惑だよ」


すると
あずさはまた別の話をする。


「そーだ。あの人は?」

「え…誰の事?」


すっかり忘れてしまっている
美波だが、あずさはしっかり覚えていた。


「ほら、あのキザな人だよ」

「あ、あぁ〜ヒビキ君の事?」

「そうそう」

「私、ヒビキ君の事すっかり忘れてたよ。ここ最近色々あって……いたよね。そんな人」

「じゃ会ってないんだ」

「うん。だってあの人、あれ以来何もない」

「普段は何してる人なの?」

「大学とか行ってるんじゃないかな。きっと女の子をナンパしてるんだよ」

「一度会ってみたいかも」

「それなら行ってみる?歌聞くくらいなら別にいいし、あずさと一緒なら安心だし」

「ホント!?じゃ行こう」