「無理」

「都合悪い?」


このままではヤバイ状態になりかねないと、あずさは思い
一端、有野から美波を離す。


「先輩ちょっと待ってて下さい」


少し離れた所に引っ張って行く。


「何?」

「どうするの?先輩は、あー言ってるけど」

「嫌だよ、私帰りたい。あずさ、何とかして」

「私に言われても困るよ」

「もう…何でアイツ、わざわざ学校まで来るのよ」

「美波、先輩と話した方いいかもよ。言いたい事とか」

「えーっ」

「先輩来ちゃったし…待たせちゃ悪いよ。それに私は、これから家庭教師来るし」

「でも、何て話せば…」

「とにかく行って来なよ」


美波は押され、有野と話をするしかない。


「………」

「美波?」

「先輩、私…今日急ぐので、美波の事よろしくお願いします」

「ああ」

「それじゃ美波。バイバイ」


あずさはその場から去って行ってしまい、有野と二人きりになる。


「じゃ行くか?」


手を繋ごうとする有野に反発。
美波は喧嘩腰になる。


「やめてよ!」

「ワリィ」

「どこ行く気?」

「どこでもいいぜ」

「だったら…とりあえず、駅前に行く」