「おいっ、やめとけ」

小さな声で言ったが
彼女は制止を無視して
カバンのなかにジュースを
しのびこませた。


レジで会計をしてると
彼女は店を出て行こうといている。
思わず、 

「あの子のも払うよ」


店員にそう言って支払うと
店を出るが彼女の姿はない。


改札口へと歩いていると
後ろから肩をたたかれ
振り向くと彼女だった。



『なんで、あんなこと

してくれんのよぉ!』




「なんで?店員さんは

わかってたんだよ!

捕まるんだよ!」




『だから余計なのよ!

あんた誰よ!?』 


そう言うと、お金を
俺の制服のポケットへと
入れて去っていった。
 


いつもの部活帰りに乗る
19:20の快速電車
最寄の駅までの20分。


わけわかんねぇ? 

なんで俺は金を

払ったんだろう?

俺、なにやってんだぁ

こっちこそ、あいつ誰だよ!?