p.m 7:00
店から程近い高級レストランの前
「お待たせ。美月ちゃん」
「お仕事お疲れ様ですっ。佐久間さん。」
佐久間さんは関東では有名な居酒屋チェーンの社長。
だけど佐久間さんがあたしを"居酒屋"に連れて行く事はない。
テーブルにはいつも、二人で食べきれるはずのない量の料理が並べられる。
「美月ちゃん。これ。」
「わぁ~!これ新作ですよね!雑誌で見て、可愛いなーって思ってたんです!」
佐久間さんは会う度にプレゼントをくれる。
毎週毎週、時には週に数回。
あたしはブランド物には興味がない。
正直毎回リアクションをするのにも疲れるけど、あたしは精一杯喜びを表現する。
「ありがとうございます!」
「美月ちゃんの喜ぶ顔が見れて嬉しいよ。」
佐久間さんはとても優しい人。
