「直輝ぃ…抱いて……」


「!?」



あまりに思いがけない結華の言葉に、俺の胸は締め付けられた。



「本気で言ってんの?」


もちろん本気じゃない事などわかってる。



「本気だよぉ?」



「俺が結華の事好きなのわかってて言ってんの?」



俺の気持ちを弄ばないでくれよ……



「しゅきなのぉ?」



「好きだよ!!好きすぎてどうしたらいいかわかんねーよ!!!」




ビクッ

「………………」

俺の腕の中の結華は一瞬肩を揺らした。




友達でいいって言ったくせに………

俺の事なんか好きでもないくせに……

こんな風に甘えてくるなよ……



もてあそばないでくれよ……






でも……


こんな風にでも……今




結華は俺を求めてる。




いいんだ……


それでもいいんだ。




結華が俺を、少しでも必要としてくれるなら。