俺は指名客のテーブルをまわりながらも、雲の上にいるかのような天使を横目で見ていた。



もう一度だけ天使の側に行く事ができたけど、やっぱり上手くは話せなかった。



わかった事はたった一つだけ。

天使の年は21才。



後でまた聞けばいい……








「ミーティングやるよー」



閉店後の店内


毎日ほとんどのホストが酔いつぶれている。







「俺と優夜アフターなんで先帰ります」


早く行かなきゃ……


俺の胸は高鳴り、そわそわと疼いている。


きっと初恋の初デートってこんな感じなのだろうか。




「おう。おつかれ」


俺と優夜は挨拶を済ませ、店の外に足を進めた。




隣を歩いていた優夜は俺に


「おい、あの子俺にくれよ。金払うからさ」


低い声で呟いた。



「はっ?お前何言ってんの?」



「あの子さー今までいないタイプだよなー。あんな顔で胸でけえし。
あれと毎日ヤレたらストレスも吹っ飛びそうだよなぁ!」



「!!!?今何て言った!!!?」


俺は苛立ちを抑えきれずに優夜の胸ぐらを掴み、壁に押し付けた。



「どうしたんすか!直さん!」



一也は慌てて俺の元へ来て、俺の腕をギュッと掴む



「………ッ!なんでもない」