『hotel AQUA』



「直~!!おつかれさ………あっ」



店が終わるとホテルに向かい、着くなり詩織の口をキスで塞いだ




「あっ………なお…………愛してる……」



《もう二度と…………》


《直くん、来ちゃった♪》


《直輝……嘘だよね……?》




次々に聞こえてくる声を



かき消すように詩織を抱いた




「なお……なお………」




だけどその声が止むのなど


ほんの一瞬だけで


いつまでも耳に響いていた






「ふぅ」



「直?」



シーツ一枚をまとった詩織が俺の顔を覗きこみ



「あの子の事考えてるの?」



「ん?」



「前に酔っぱらってるのを送ってった子」



「あぁ……それがどうした?」



「あの子を見る直の目……嫉妬するほど真っ直ぐな目をしてたから……」



「そうか?いくらの金に変わるかしか考えてなかったけどな」



「あの子、redmoonのナンバーワンでしょ?」



「そうみたいだな。」



「あんな純粋そうな顔して、したたかな子なのね。」



「ははっ……そうかもな」