《石川総合病院……》


香織さんの告げた場所


忘れることもないあの日


誠さんが運ばれ


命を落としていった場所









「香織さん!!」


今でも脳裏に焼きついている


あの日と同じ


手術中のランプの前





どうしたらいいのかわからない様子で
廊下を歩き回る香織さんは



「直くん……!!!」


俺に気付いてやっと足を止めた


「りおが……車に……!!」




「学校から電話があって………帰り道で………

あたし………りおまで………りおまでいなくなったら…………」




「香織さん………!!」


手を小刻みに震わせる香織さんの姿を見て




俺は無意識に香織さんを抱きしめた





ただただギュッと