「直さん、お願いします。」


前田さんの言葉で俺は席を立った。



指名が被ると順番で指名客のテーブルをまわり、俺は毎日数えきれない程の移動を繰り返す。


一人の客といる時間などほんの少しの間だけだ。




「優夜指名の麻奈ちゃんのテーブル新規指名だから」

「ふぁーい」




表に写真を飾っとくだけでも指名とれちゃう俺。

顔がよければ中身はどーでもいいんだろ?

女なんてくだらない生き物だ。

まぁ男も変わらないけどな。





席に向かおうとする俺に一也が耳打ちをした。