「お久しぶりですね。葉月さん。」


「相変わらず頑張ってるわね~美月」



redmoonオーナー
赤井葉月



赤い月 redmoonの名前は葉月さんそのもの



夜の世界に輝く
燃えるような月



「美月がいなかったらこの店、どうなっていたかしらね~」


「変わらずここにありますよ。」



葉月さんはあの時、あたしがこの街に来たあの日



あたしを救ってくれた人




《死ぬつもりなら!!死ぬ気で生きなさい!!》


あたしは無意識に道路に飛び出そうとしていた。



葉月さんはあたしの腕を掴み、思い切りあたしの頬を叩いた。



《あなたの命。あたしに売ってよ。》


葉月さんはあたしをここに連れてきた。




葉月さんにママの姿を重ねたのか、あたしは葉月さんに全てを話した。




《借金はあたしが全て返すわ。家も服も、何でもあげる。その代わりにここで死ぬ気で頑張りなさい!!》




それが葉月さんとの出会い―――