《一緒にいられない》
直輝にそう言われたあの日
直輝はそう言い残し、部屋を出て行った。
あたしは追いかけなかった。
追いかけられなかった。
追いかけてもきっと
何の意味もないと思ったから。
直輝はあたしを
愛してなどいなかった。
それまで一緒に過ごしてきた時間など
何の意味も持たないと
あたしは知っているから
そこには愛などなかった。
永遠などなかった。
それが全てだから。
そして、あたしは自分の元いた場所へと戻った。
一人きりの部屋
真っ暗な闇の中
edenに行く事も
直輝の部屋に行く事もなく
少しの間
夢を見ていただけ
その夢から
目が覚めただけ
幸せな夢から目覚めた朝は
少し憂鬱な気分になる
だけど現実に生きなくてはいけない。
夢の中では生きられないから。