.....半年前



白とピンクを基調とした、いかにも女の子らしい麻奈の部屋。

部屋が"麻奈"と言う一人の女の子を物語っている。



あたしは桜色のベッドに寝転びながら、最新のファッション雑誌に目を通し



ふとキッチンの方に視線を向けると、浮かない表情でマグカップを二つ持ってくる麻奈の姿が映った。



「ごめん。ありがと」



麻奈はベッドの前の白いテーブルにマグカップを二つ置き



「話があるんだけど……」



「なに……?」



いつもとは明らかに違う麻奈の様子に、
あたしは慌てて雑誌を置き麻奈の前に正座をした。





「実はね………」


「…………」


偽物の睫毛をふせる麻奈に、あたしはゴクりと唾を飲み込んだ。





「彼氏できたの~♪♪」


浮かない表情から一変、周りに花が咲くのが見えるかのような眩しい麻奈の笑顔に

一瞬でも心配したあたしの気持ちを"返せ"と思った。