あたしを誰も知らない、遠くの街に行こう。 他人に興味もないような……大きな街に行こう。 叔母さんからもらった少ないお札を握りしめ、人で溢れる大きな街で電車を降りた。 たった一人 あたしに気を止める人などいない。 皆慌ただしくあたしの横を通り過ぎていくだけ。 どこへ行けばいいかも、 何をすればいいかもわからずに 繁華街の真ん中で、ただ時間だけが過ぎた。