「あっ…新婦様…」 ドレスを持ち上げたあたしの腕を、戸惑いながら掴むホテルの人―― 「!!」 あたしはその手を振り払い走り出した―― 「結華ァァァァァ…!!!!!!!!!!!!!」 ママの叫び声を背に、あたしは更に足を早めた―― 慎………慎………! 走りながら、心の中で何度も慎を呼んだ―― 慎………慎………! 「新婦様……!!」 あたしを止めようとするホテルの人を何度も振り切り、あたしは新郎の控え室にひたすら走った――