披露宴はしないから花嫁の手紙もないし

こんな時くらいしか照れくさくて言えないから……

ちゃんと言わせて


「お父さん、ママ、今まで本当にありがとう。

仲良しな二人みたいに、二人が幸せな家庭を築いたように、あたしも慎と幸せになるね。」



「結華ぁ~」



「…………」


ママはティッシュを目頭にあてては、すぐに涙で濡れるティッシュを何枚も取りかえ


お父さんは何も言わずに下を向いたまま、指で目頭を押さえてるけれど、その瞳からは涙が零れていた。




「お父さ~ん!ママぁ~!」



そんな二人を見て、あたしも涙が止まらない――



「ずっとずっと大好きだよ~!!」



あたしは思わず、お父さんとママを、力いっぱい抱きしめた。



大好き!!

本当に大好きだよ~!!

ママ~!!お父さ~ん!!