あたしの視界はずっと、夜咲直に占領され

夜咲直とあたしの視線がぶつかったまま沈黙が続いた………


「……………」


「……………」



「あ、あの……
名前は?……」


長い沈黙を破ったのは夜咲直の声


「……!!結華です。」


あたしは一瞬視線を反らして小さな声で呟いた。


「……………」



「麻奈ちゃんと仲良いの?」


「うん。仲良いよ。」



「………………」


何だか場が持たない。


気まずい空気の中、また沈黙は続く―――


「………………」






少しすると、夜咲直は少し声が裏返った声で


「番号かアドレス教えて頂けませぬか?」



えっ!?ませぬか?って言った?

ませぬかって何!!?





緊張が解れる




「プッ」


何だかそれが可愛くて、思わず笑ってしまった。





「!!?」


そんなあたしを見て、夜咲直は一瞬眉尻を下げた。